金の糸・・・金継ぎ
2025年12月4日 金曜日
深夜、外では丹沢おろしが吹き付けている
こりゃ日本海側は雪なんだろうか
なんて考えながら
いよいよ冬も本番のようだと感じる
寒いのは懐だけでいい(笑)
さて年末に近づくと
予定も特にないのに心がざわつく
大みそかと元旦の間には
日付変更線のように地球人が勝手に決めた
約束事の時間の「くぎり」でしかないのに(笑)
主人公エレネは、ジョージアで娘夫婦とひ孫と
暮らしている
自分の誕生日も皆に忘れられていたところに
60年前の恋人から電話がある
娘の夫の母親であるミランダが認知症を発症し
ボヤ騒ぎを起こしたために娘夫婦が引き取る
ことになり同居を始める
エレネの両親もソ連邦時代に粛清された過去が
あり、ミランダとかつての恋人は同志である
ことが分かる
ミランダは旧ソビエトの高官だった
また20年も出版できない環境を作り、エレネの
人生を変えてしまったのも彼女だったと知る
しかしこの映画の中で
エレネの怒りの感情はない
※JIKAよりお借りしました
向かいに住む若夫婦が夫婦喧嘩をして
夫が出て行っては戻って仲直りする
ミランダが自分の過去の栄光の持ち物を
近所に住む知人に換金してもらい
寄付していたことを後で知る
ミランダが迷子になり、たどり着いた宮殿跡に
住み着いている牛の親子に言った言葉や
同居している曾孫の両親はアメリカに留学している
という想定も
作者の意図による思いが強いように感じた
一晩しか咲かないサボテンンの花が咲いた
それをみんなに見せてあげなさいと
曾孫のエレナに言うエレネ
誕生日にお花をもらったと嘘を言うエレネ
(空の花瓶の意味を今も考えている)
誕生日に花を贈ってくれる人もいない
自分は年老いて家の前の通りにさえ
出られない
かつての恋人とタンゴを踊った「通り」
彼女が映画の中で話していたことすべてに
何かのメッセージがある気がした
”金継ぎは
陶磁器の破損部分を漆を用いて修繕する技法であり
古来から行われる日本の伝統工芸の一つである
装飾として漆に撒く塗料に金粉を多用する”
※ウィキペディアより引用
この金継ぎの跡が
金の糸のように見える
年老いてなお生きているということは
すべてを受け入れ、赦すための時間ではないか
過去の出来事をひとつひとつ
金継ぎで張り合わせて修復していく
本来あるべき元の姿になるように
そして一つ一つの破片は美しく
かけがえのないものである
金継ぎは、年老いて最後にすべき作業
自分自身の人生の集大成のために
そして子孫の世代の未来の平和のために
過去を金で継ぎ合わせる
人生は金継ぎのようなもの
そしてそれが完成したとき
本当の意味での人生の完成を迎え
自由な精神となって宙を舞っていく
杖をついているはずのエレネが
ラストシーンで舞い踊るのが美しい
舞台のジョージア
調べてみると簡単には説明できないほど
複雑な歴史がある
四方八方が隣接し戦いの歴史は古い
反ロシアの国ではあるが
スターリンの故郷でもある
2021年の映画であるが
この女性監督も93歳である
クリントイーストウッドと同じ年代
この年になると
テーマは家族愛から世界の平和へと
広がっていくように思う
ジョージアがジョージアであるために
割れた漆器を金継ぎで修復して
未来へ進んで行けるようにと
そんなことがこの映画に込められたように
もんちっちは感じた
久しぶりに静かなる名作に出会ったので記事にした
※2024年3月30日の記を引用
想い出の かけらを集め 金で継ぐ
わが人生の 冬来たりなば
もんちっちの作業は、まだ終わらない(笑)
※写真はジョージア(旧グルジア)
北海道ほどの面積に400万人が住む
世界で二番目にキリスト教を国教として採用した
国でもある
8000年以上の歴史を持つワイン発祥の地でもある
大コーカサス山脈は5000メートル級の山が連なる
黒海沿岸は美しいビーチが広がっている
全般的に治安がよく長期滞在も可能である
1992年以来、日本とは良好な関係があり
一年以内であればビザは免除される
※2025年12月ジョージア政府よりビザ免除が
終了することが発表されたらしい
どの国も冬に向けて
ハグしても体温が伝わらないような
分厚いコートを身にまとっていく