先逝く人たちの言葉
2023年12月8日 金曜日
黒澤明の映画に「生きる」というのがある
もんちっちは数回見たが
小学生の頃から強烈に
心に引っかかっていた
主人公は30年間無欠勤という
模範的な役人だった
ある日、自分が胃ガンで
余命幾ばくもないことを知る
死に別れた妻との間にできた
息子にも冷たくされ
絶望と孤独に陥り
街へさまよい出て
飲みなれない酒を飲む
「ああ、自分の人生は
いったい何だったのか?」
生きることの意味を考えはじめ
人生の最後の時間に
ほんの少しでも市民の役に立つことを
しようと考え始める
住民の要望を死にものぐるいで実現し
主人公の努力により児童公園が完成する
そして小雪の舞う夜
完成したばかりの
公園のブランコに揺られながら
『ゴンドラの唄』を楽しげに歌う
※「ゴンドラの歌」
いのち短し 恋せよ少女(おとめ)
朱(あか)き唇 褪(あ)せぬ間に
熱き血潮の 冷えぬ間に
明日の月日は ないものを
いのち短し 恋せよ少女
いざ手をとりて 彼(か)の舟に
いざ燃ゆる頬を 君が頬に
ここには誰れも 来ぬものを
いのち短し 恋せよ少女
波に漂(ただよ)う 舟の様(よ)に
君が柔手(やわて)を 我が肩に
ここには人目も 無いものを
いのち短し 恋せよ少女
黒髪の色 褪せぬ間に
心のほのお 消えぬ間に
今日はふたたび 来ぬものを
人生は瞬く間に過ぎる
女性として生きられる命も短い
そう思うと
何をしたらいいのかが見えてくる
この旋律を聞くと映画を思い出し
なぜか虚しくなる
もう一人思い出すのは
スティーブ・ジョブズ
スティーブ・ジョブズが
スタンフォード大学で行った
「伝説のスピーチ」がある
(2005年8月12日)
[英語スピーチ] スティーブジョブズ
2005スタンフォード大学卒業式演説|
スティーブジョブズスピーチ | steve jobs
| 日本語字幕 | 英語字幕 | Full speech
その中に出てきた一節で
「明日死ぬとしたら自分はどうするか
考えて毎日行動する」というのがある
これは彼が17歳の時に出会った言葉で
彼が癌になって半年しかもたないだろうと
言われたときに、もう一度考えた言葉らしい
「明日死ぬとしたら、今日自分はどう生きるか
それを毎日考える」
“If today were the last day of my life,
would I want to do what I am about to do today?”
「もし今日が最後の日だとしても
今からやろうとしていたことをするだろうか」
No one wants to die. Even people
who want to go to heaven don’t want to die
to get there.
誰も死にたくない
天国に行きたいと思っている人間でさえ
死んでそこにたどり着きたいとは思わないだろう
And yet death is the destination we all share.
No one has ever escaped it.
死は我々全員の行き先である
死から逃れた人間は一人もいない
And that is as it should be, because
Death is very likely the single best invention of Life.
それは、あるべき姿であり
たぶん死は生命の最高の発明である
It is Life’s change agent.
It clears out the old to make way for the new.
それは生物を進化させる担い手である
古いものを取り去り、新しいものを生み出す
Right now the new is you, but someday
not too long from now, you will gradually
become the old and be cleared away.
今あなた方は新しい存在だが
いずれは年老いて消えゆく
Your time is limited, so don’t waste it living
someone else’s life.
あなた方の時間は限られている
だから本意でない人生を生きて時間を
無駄にしないでほしい
Don’t be trapped by dogma ―which is living
with the results of other people’s thinking.
ドグマにとらわれてはいけない
それは他人の考えに従って生きることと同じ
※ドブマ:独断・偏見的な説や意見、教義
Don’t let the noise of others’ opinions drown
out your own inner voice.
他人の考えに溺れるあまり
あなた方の内なる声がかき消されないように
And most important, have the courage
to follow your heart and intuition.
そして何より大事なのは
自分の心と直感に従う勇気を持つこと
They somehow already know
what you truly want to become.
あなた方の心や直感は
自分が本当は何をしたいのか
もう知っているはず
Everything else is secondary.
ほかのことは二の次で構わない(中略)
Stay Hungry. Stay Foolish.
ハングリーであれ、愚か者であれ
And I have always wished that for myself.
And now, as you graduate to begin anew,
I wish that for you.
私自身、いつもそうありたいと思っている
そして今卒業して新たな人生を踏み出す
あなた方にもそうあってほしいと思う
(機会があれば全文を読んでほしい)
今やろうとしていることが
明日死ぬとしても本当に大切な事だろうか
本当に必要なことなのか
本当にやるべき事なのか
本当にやる価値があることなのか
本当にやりたいことなのか
明日死ぬとしても
自分は何をすればいいのだろうと考える
スティーブの言葉にこんなのもある
「墓場で一番の金持ちになることに
何の意味がある。
毎晩寝る前に
「今日は素晴らしいことをした」と
思えること
それにこそ価値がある」
自分はまもなく死ぬという認識が
重大な決断を下すときに一番役立つと
スティーブは考える
永遠の希望やプライド、失敗する不安など
これらはほとんどすべて
死の前には何の意味も
なさなくなる
先逝く人たちが
貴重な教訓を残してくれている
☆彡今日の一枚
昨日もんちっちが
「こりゃ~!」と怒ったことが
ショックだったのか
2匹で来たが
チビが優位に立ったような気がする
もんちっちが「シロ」と言って
近づこうとすると
反省してる?
すぐに逃げてしまった
こちらを向こうとしない
せっかく仲良くなれたのに
振り出しに戻ってしまった(笑)
チビは近づいて来る
カラスのカー君も健在
いつもと変わらない風景なのに
シロだけが変わった
自分だけお腹いっぱいに食べて
他のネコが来るのを阻むのは
人として、いや猫として
許されない行為だと
シロは感じてくれただろうか
いや、ムリだろう(笑)
今度はこの餌場は
チビが縄張りを仕切るのだろうか
不思議な「猫社会」である
2010年頃のはな
「おかあしゃん
横浜のお家も、太陽が当たって
あったかかったね
虹の橋の広場も
いつもあったかいんだよ
仲間もいるし
はなちゃん
寂しくなんかないからね」
もし今日が最後の日なら
私は何をするだろう♡