どうしても君に伝えたい 生きることを諦めないで

2024年11月4日 月曜日




今、この瞬間も病気と闘っている人がいる



元気を装って気丈にしているが
彼女の心を思うと
何もできない自分がもどかしい




自分が30歳の時に胸にしこりができて
「私はガンだ」と思い込んだ


その時頭をめぐったのは
「子どもたちにお金を残していなかった」
なぜそんなことが突拍子もなく
頭に浮かんだのかは、未だにわからない


病院へ行って確定診断をもらう前に
生命保険をめいっぱいかけておかなきゃ
そんな馬鹿な発想で頭がいっぱいになった



子どもはお金で幸せになるのではない
後でそう思ってバカな発想を打ち消したが
なぜ今でもあの時の感情や思いを
覚えているのかはわからないが・・・



おそらくは自分にとって
自分が死んでいくという現実よりは
子どもたちが路頭に迷うであろうことを考えた


人間は自分が死ぬのではないかという
危機に際しては
突拍子もないことを考える(苦笑)





Bad Life / Sigrid & Bring Me The Horizon




考えてみたら抗うことのできない
生命の終焉に
意識のあるうちは
人はそれと戦う運命にある



自分はどこからき来て
どこへ行くのか
それだけが頭の中で空回りする


なぜ自分にだけこの宿命があるのかと
生まれてきたことさえ恨めしくなる


人々との出逢いからの別れまでの思い出や
半ば途中で残してある仕事や
年老いた親の行く末を案じる


自分は何をしてきたのか
自分の人生は何だったのかと
取り返しのつかない時間を逆行してみては
現実に引き戻され
最後には「これでよかったんだ」と
ため息をつく
そして生きている限り
それを繰り返す





[名曲和訳] You Are Not Alone - Michael Jackson




人間は誰でも花のように枯れていく
この世に生を受けた全ての生物の運命である
その理を知りながらも
意識のある限り抗うのが人間である



自分の寿命を諦めない
意識のある限り


生きるということはただそれだけのこと





Sleeping At Last - "Saturn" (Official Music Video)






存在


あなたは もしかしたら
存在しなかったのかもしれない


あなたという形をとって 何か
素敵な気がすうっと流れただけで


わたしも ほんとうは
存在していないのかもしれない
何か存りげに
息などしてはいるけれども


ただ透明な気と気が
触れ合っただけのような


それはそれでよかったような


いきものはすべてそうして


消えうせていくような


茨木のり子「歳月」より








心の平和を取り戻すために
「許し」を得る


許しとは過去を手放すことであり
過去の誤解を解きほどく作業だと
むかし誰かが言ったが


私も残されたわずかの時間を
そのために使っているよ



自分が自分でなくなる日がいつか来る


そんな「死」を避けられないように
「生きていくこと」も避けては通れない


取り留めもなく続くそのような思考に
疲れながらも
朝目覚めれば、また一日が始まるように






恐れないで
恐れることなんかない


誰しもが「命」という
時限爆弾を抱えて生きているのだから


その日がいつごろなのか知ってしまったのか
その日を知らないふりをしているのか
それだけの違いでしかないのだから






わずかばかりの持ち金を
少しずつ消費して
社会へ還元していく以外
人の役に立つことは何一つできない自分


もう体にメスを入れて
治療するようなことはしないだろう
自分のお財布で賄えるだけのお薬を
毎日飲みながら
誰かに迷惑をかけることがないように
生活の質(QOL)を保って
残りの人生を生きて行けるように


静かにそして穏やかに
その時が来るのを待っている







あなたはまだ若い
したいことたくさんある


できるものなら私の人生を切り取って
あなたにあげることができるのなら
今この瞬間、絶命することも惜しくはない


生きてきて
何度もそんな寂寥感を感じて来た




でも行く先はみな同じなんだと・・・



だからお願い
生きてほしい


強がりでもいいから
元気な顔して
病魔に抗って生きてほしい




闘病する君に伝えたい

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