最期の言葉

2023年9月22日



いつもこの時期の天気はすっきりしない
奈落の底に落ちていきそうな
不気味な空である




さて、無宗教のもんちっちであるが
お盆とお彼岸の意味がよくわからない
お盆は故人が帰ってくるお迎えをし
お彼岸は極楽浄土の仏さまやご先祖を思う
ということらしい


”彼岸とは、極楽浄土のある世界のことで
三途の川を挟んで現実の世界(此岸)と
つながっている
お彼岸の時期には、彼岸があるとされる
真西の方を拝み
お墓参りをして仏さまに感謝を伝え
ご先祖さまを敬う”
※Senshukai より引用






人は誰もが死ぬ
死ぬとわかっていても生きているのは
自分が死ぬとは思っていないからである
矛盾しているようだが
哲学というものができて以来
それが定説のようである


死が怖いのは
痛みへの恐怖と、世間からの離脱
自分の存在ががこの世から消えるという
経験のないできごととだからである





最期の言葉


ある緩和医療の医師が数千人の人を看取って
最期の言葉について話していた


ありがとう(感謝の言葉)
アントニオ猪木さんも最後の投稿の日に
「ありがとう」と言っていた
この言葉は残された人に生きていく力を
与えてくれる


なにも言わない
まだ生きられるんじゃないかと本人は
思ったまま亡くなる


わけのわからないことを言う
「何か来る」「あっちへ行け」など
せん妄状態や失見当識の状態になり
支離滅裂になる


・下顎呼吸になりうめき声を出すようになると
口がぽっかり開くときに「あ」などの
発語をする(「ありがとう」のつもりか)


ありふれた言葉
自分は死ぬということを自覚していないため
「明日は何時に来るの?」など日常の
ありふれた会話が最期になることもある





この医師が忘れられない患者がいるそうだ


ひとりは30代の患者で救急搬送されてきた
くも膜下出血の再破裂の患者
最期の言葉は「行ってきます」だったという


そしてもうひとりは20代の末期がん患者の男性
「先生の夢って何ですか?」と聞かれて
医師が「がんの人の痛みや苦しみを
穏やかににすることです」と答えると
その男性は「僕の夢は人の役に立つことです」
と言った
そして「ずっと人の世話になってばかりだから」
と言い足したという
自分が今死の淵にいるというのに
自暴自棄になるのでもなく
人や自分の人生を恨むでもなく
「人の役に立ちたい」と
「体はもう動かないけれど
人が幸せになることを
願うことはできますよね」が
最期の言葉だったという


願うことは何かをしてあげることに等しい
何もしてあげられなくても願うことはできる
生きてさえいればできる





みんな例外なく、いつかは死ぬ
自分は死なないと思っているから
明日も生きられる
しかし約束された将来など
本当はないことから目をそらして生きている
明日がないかもしれないと思って
生きていけば
最期の言葉にしなくても
ありがとうと言う感謝の気持ちを
伝えることはできる




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『ありがとう』   菊田 心



文房具ありがとう
えんぴつ、分度き、コンパス大切にします


花のなえありがとう
お母さんとはちに植えました
花が咲くのが楽しみです


うちわありがとう
あつい時うちわであおいでいます


くつをありがとう
サッカーの時とってもけりやすくて、
いっしょうけんめい走っています


クッキーありがとう
家でおいしく食べました


さんこう書ありがとう
勉強これからがんばります


図書カードありがとう
本をたくさん買いました


やきそば作ってくれてありがとう
おいしくいっぱい食べました


教室にせん風機ありがとう
これで勉強はかどります


応援の言葉ありがとう
心が元気になりました


最後に
おじいちゃん見つけてくれてありがとう
さよならすることができました



※『ありがとうの詩』
河北新報出版センターより引用




生きてることに感謝♡

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