金の糸

2024年3月30日 土曜日



3月29日、東京は開花宣言
そして黄砂飛来の情報も届いている



待ちわびて 靖国に咲きし 十一輪(もんちっち)

咲き誇れ 命の限り 靖国さくら(もんちっち)




いい映画を観た
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映画『金の糸』予告編



主人公エレネは、ジョージアで娘夫婦とひ孫と
暮らしている
自分の誕生日も皆に忘れられていたところに
60年前の恋人から電話がある


娘の夫の母親であるミランダが認知症を発症し
ボヤ騒ぎを起こしたために娘夫婦が引き取る
ことになり同居を始める


エレネの両親もソ連邦時代に粛清された過去が
あり、ミランダとかつての恋人は同志である
ことが分かる
ミランダは旧ソビエトの高官だった
また20年も出版できない環境を作り、エレネの
人生を変えてしまったのも彼女だったと知る
しかしこの映画の中で
エレネの怒りの感情はない



向かいに住む若夫婦が夫婦喧嘩をして
夫が出て行っては戻って仲直りする場面や
ミランダが自分の過去の栄光の持ち物を
近所に住む知人に換金してもらい
寄付していたことを後で知ることや
ミランダが迷子になりたどり着いた宮殿跡に
住み着いている牛の親子に言った言葉
同居している曾孫の両親はアメリカに留学
しているという想定も
作者の意図による思いが強いように感じた


一晩しか咲かないサボテンンの花
それをみんなに見せてあげなさいと
曾孫のエレナに言うエレネ
誕生日にお花をもらったと嘘を言うエレネ
(空の花瓶の意味を今も考えている)
自分は年老いて家の前の通りにさえ
出られない
かつての恋人とタンゴを踊った通り
彼女の言ったことすべてに
何かのメッセージがある気がした



うたたかの 夢に微睡む サボテンの花(もんちっち)



”金継ぎ
陶磁器の破損部分を漆を用いて修繕する
技法であり
古来から行われる日本の伝統工芸の一つ
装飾として漆に撒く塗料に金粉を多用する”
※ウィキペディアより引用
この金継ぎの跡が
金の糸のように見える



思い出の かけらを集め 金(きん)で継ぐ(もんちっち)



年老いて生きているということは
すべてを受け入れ、赦すためでは
ないのかと思った
過去の出来事をひとつひとつ
金継ぎで張り合わせて修復していく
本来あるべき元の姿になるように
そして一つ一つの破片は美しく
かけがえのないものである



金継ぎは、年老いて最後にすべき作業
自分自身のために、そして
子孫の世代の未来の平和のために
過去を金で継ぎ合わせる


人生は金継ぎのようなもの
そしてそれが完成したとき
本当の意味での人生の完成を迎え
自由な精神となって宙を舞っていく



杖をついているはずのエレネが
ラストシーンで舞い踊るのが美しい



舞台のジョージア
調べてみると簡単には説明できないほど
複雑な歴史がある
四方八方が隣接し戦いの歴史は古い
反ロシアの国ではあるが
スターリンの故郷でもある





2021年の映画であるが
この女性監督も93歳である
クリントイーストウッドと同じ年代
この年になると
テーマは家族愛から世界の平和へと
広がっていくように思う


ジョージアがジョージアであるために
割れた漆器を金継ぎで修復して
未来へ進んで行けるようにと
そんなことがこの映画に込められたように
もんちっちは感じた


久しぶりに静かなる名作に出会ったので
記事にした




今朝はすごい嵐だった
(もんちっちの記事は実質1日遅れの
 投稿のため内容は一日前のこと)
叩く雨がサッシから家の中に漏れていた
花粉で白くなっていた家の外壁も車も
洗車機にかけたようにきれいになった(笑)


これから一雨ごとに暖かくなる
というか、暑くなる(笑)
春にこんにちはを言うと、冬には
さよならを言わなければいけない
この季節が一年中でいちばん
嬉しくもあり、淋しくもある


出会いと別れ


日本は桜を境に
終わりと始まりが交差する
別れの時期でもあり
新たな出会いの季節でもある
新たな出会いの芽が
成長しようと待っている


脱ぎ捨てた洋服を惜しまずに
取り戻せない過去は振り返らずに
芽が成長するように、太陽に顔を向け
大地からたくさんの水分を得て
成長しよう


自然はそのように動いている
自然に生きるということは
季節に身を任せることでもある




時代
我が息子に告ぐ



時の流れに流されるのも人生♡

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