消し去られた記憶

2023年10月10日



記憶をは過去の記録ではなかった
記憶は、出来事とは別に
記憶する人が自分から働きかけて作られる


同じ出来事を経験しても
人によって思い出すことが違う
同じ話を聞いても
関心をもって聞いている箇所が違う
同じ出来事を経験しても
同じ話を聞いても
思い出すことは人それぞれに違っている
人によって見ているポイントが違うから





歴史的事件に関しても
国によって解釈が違う
それは国によって立場が違うから
立場が違えば、当然見ているポイントも違う
だから思い出すこともも当然違う


興味・関心、利害、立場の違い
そういったものが視点の違いをもたらして
記憶のすれ違いを生むことになる


アウグスティヌス
”未来は、まだここに存在しない。
過去は、もうここには存在しない。
ゆえに、未来や過去が存在するとしたら
「今ここ」の現在以外に考えられない。
つまり、未来とか過去といったものは
存在しない。
あるのは、過去についての現在
現在についての現在
そして未来についての現在である。
つまり過去についての現在が記憶である。
と言っている”
※ウィキペディアより引用



「今ここ」で思い出された記憶には
今の心理状態や
価値観・欲求が強く関係する
過去の自分の悲しい出来事を
今穏やかな気持ちで
思い出すという場合
心は穏やかで記憶は悲しい
想起によって記憶から取り出されるとき


(その出来事はかつての心ではなく
現在の心で感じる
だから悲しくて仕方なかった出来事も
懐かしい出来事のように
思い出されたりする)


アウグスティヌス


記憶というのは
出来事が起こったときのままに
引き出されるのではなく
思い出すときにつくり直される
また思い出された内容は
今の心理状態や欲求や価値観を
映し出している、といえる


「何だか暗い毎日だった
漠然としたイメージはあるけれど
具体的な出来事が思い出せない」


これは、フロイトの言う
「抑圧」というメカニズムである



フロイト


思い出したくない出来事や経験が含まれる
時期についての記憶は、全般に薄れてはいる
その時期の何かを思い出すと
関連することが順々に思い出され
そんなつながりの果てにイヤなことまで
思い出してしまうこともある
これは「無意識」のうちに生じる





記憶は今の自分の心理状態を反映していること
そして人が先を見て生きていけるように
思い出したくない記憶は土の中に
埋まっている、ということである


記憶は自分の都合のいいように
書き換えられたりして
先を生きやすいようになっている


そして今の心理状態が変われば
思い出されることも変わるということを
「記憶」していただければ幸いである(笑)





未来もないし過去もない
現在があるのみ♡

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